2014年掲載 施工実例レポート
更新日:2014年02月07日
吹き抜けのゆったりとした空間に県産杉の柱と梁が織り成す美しさ
㈱頼成工務店
新築砺波市・S邸
アズマダチの家に暮らしてきた家族が選んだ無垢の木の家
玄関を開けると、杉のすがすがしい香りと漆喰の壁。ホールとLDKの床を踏みしめると、厚い杉板からの温もり。新しい家だが、どこかに懐かしさを感じさせ、「これはくつろげる家」と直感できる。LD上部は吹き抜けの構造。太い柱と梁の木組みの美しさ、圧倒的な存在感。出迎えてくれた奥様と一緒に、労いともてなしの言葉をかけてくるようだ。
Sさん一家は砺波地方の伝統建築、アズマダチに長年暮らしてきたが、築100年余りゆえの手入れの大変さ、冬の寒さから新居を構えた。「慣れ親しんだ家には愛着もあり、まだ完全に引っ越してはいない状況。将来を考えての家です」と奥様。ご主人が頼成工務店を選んだ理由は、県産材と匠の技を生かした木づくりの住まいを手がけていることだった。生まれてからずっと古民家に暮らしてきたご主人にとって、木の家の魅力は捨てがたいものがあった。おのずと選ばれたのが県産木材の家のプロ、頼成工務店というわけだ。
太い木と木をつなぐ匠の精緻な技
1階にはワンフロアのLDK、2間続きの和室が広がる。障子戸を開け放てば、40帖ほどの大空間になる。加えて、LDのガラス窓は戸袋収納でフルオープンになるため、開放感もさらに増す。軒を長くして、濡れ縁を設けていることも特徴。軒は夏の強い日射しを和らげ、冬の風雪から家をしっかり守る。暮らす人にやさしい設計に頼成工務店の確かな家づくり、細かな配慮が見て取れる。
そして、2階へ上がると、豪壮な木組みが間近に。長い年月をかけて育った木の風合い、太い丸太梁を組みあわせる匠の優れた技。天井を張ってしまう家では体感できない醍醐味がある。その一方、吹き抜けの空間は、将来の家族構成に合わせて部屋にもリフォームできる。「柔軟に変えられるのは安心できます」と奥様。富山の木で家づくりに取り組む頼成工務店と、伝統建築で暮らし、感性を磨いてきたSさん一家の協働作業ともいえる住まい。それぞれの思い、夢がここに結実した――。
- スケジュール
- 情報収集スタート2010年春
具体的行動2011年秋
メーカーの決定2011年冬
工事契約日2012年4月20日
設計期間(基本・実施)約16週間
工事着工日2012年6月5日
上棟式2012年7月17日
竣工2012年12月13日
- メーカー担当者
- 代表取締役 安田 信夫さん
- 木の伐採見学会や森にふれるイベントを開いたりし、とやまの木にふれる機会を多くもち、地元の気を使った顔の見える家づくりを提案しています。
- ㈱頼成工務店
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所在地:
富山市婦中町新屋507
TEL:076-465-1001
FAX:076-466-2637
URL:https://raijyo.jp/
メールアドレス:e-ie@raijyo.jp
営業時間:8:00~17:00
定休日:日曜、祝日、第1・3土曜