匠の技術が暮らしの随所に活きる
将来を見越した快適なる空間設計

お母様の病気をきっかけに、別々に住むご両親と共に暮らしたいという思いが強くなったご主人。タイミング良く自宅横の土地をスムーズに購入することができ、H邸の増設計画は幸先の良いスタートを切った。
H邸の家づくりのコンセプトは“将来、ご両親が車椅子になっても過ごしやすい暮らしができること”。そのため、室内はすべてバリアフリー仕様に設計されている。
キッチンは家具屋と坂口工務店がタイアップしたオリジナルキッチンを設置。現在はお母様が立って使えるちょうどいい高さだが車椅子になったときでも使い勝手のいいよう、キッチン全体の高さが変えられる仕組みとなっている。そして暮らしの中心となるリビングは、屋根を支える梁と存在感ある丸太の一本梁の小屋組み表しが空間に開放感を生み出した。通常の天井高より低めに設計されているH邸。匠の技術により、低さを微塵も感じることのない広がりある空間へと導いた。

ずっと住む家だからこそこだわる
手間暇かけたオリジナル造作家具

増築するにあたり、愛しいお孫さんたちとの触れ合いを何よりも楽しみにされていたご両親。母屋に住むお孫さんたちが学校帰りや休みの日でも自由に行き来できるよう、母屋と平屋は一本の渡り廊下で繋がれた。宿題をしたりおやつを食べたり会話をしたり…食事以外でも多目的に利用できるキッチン前の造作カウンターのおかげで、キッチンに立つことが、今後はとても楽しい時間となるはずだ。
テレビボードやキッチン収納、廊下の手すり、玄関戸といった建具などもすべて同社が手掛けた完全オリジナル。素材の持つ色合いを活かしたシンプルなデザインと手間暇かけた細かなディテール。際立つ主張はせずとも空間に自然と馴染む安定感と手入れをしながら長く使える丈夫さと機能性が持ち味だ。
これからもご両親に長生きしてほしいと願う息子さんの、大きな優しさに包まれたH邸。安心ある暮らしはきっと、ご両親の笑顔と健康に結びついていくだろう。