家族の姿を具体的にイメージ
居心地の良さを追求した設計

　古い借家住まいを経て、念願のマイホームを手に入れたHさん家族。家づくりを決意した当初は展示場を巡ってみるも、ほとんどピンとくる家は見つからなかったとか。ある日近所で見かけた「坂口工務店」の施工現場が気になり、即連絡。実際足を運んだ同社の家は木の雰囲気、香り、空気感が良く一目で気に入ったとご主人は振り返る。
　実家の４軒隣に建てたH邸の敷地は、間口が狭く奥行きはとても長い。しかし家の中ではそのことをまったく感じることのない解放的な空間が広がる。大きな丸太梁と薪ストーブのあるリビング・ダイニングは、東側全面を窓にしたオープンスタイル。日当たりと風通しがとにかく良い。ウッドデッキには軒をつけ、室内と外との繋がりを感じられるようになっている。「旦那さんが庭いじりをする姿や奥様の料理をする姿など、ご家族の話から生活しているイメージを膨らまして設計します」と同社設計士。現在、イメージが現実となり一年が経とうとしている。

匠の技と自然素材を活かした
快適性の高い家づくり

　「夏はエアコンをあまり使わず快適に過ごせました」とは、奥様の言葉。「坂口工務店」の家は、特に高断熱を謳った素材の使用はなく“蓄熱させない工夫”と“自然素材を活かした設計”で快適性を実現している。　
　例えばH邸の屋根や壁には、空気の通り道となる空気層が備わっている。夏の強い日差しは屋根や壁に蓄熱をもたらすが、この空気層があることで熱は空気層を通り外へと逃げていく。そのため、夏は暑さをあまり感じることなく快適に過ごすことができる。冬は、2階に採用した「すのこ床」が威力を発揮する。家の中心となる階段下に薪ストーブを配置することで、階段の吹き抜けとすのこ床の隙間の２箇所から自然対流を発生、家中に暖かさを行き渡らせることができ暖かく過ごせる。「空気が気持ちいい家ですね」とご主人。続けて「森の中にいるような心地良さのある家です」と奥様。
　憂鬱な冬が、今は待ち遠しくて仕方がない様子のHさん家族。もうすぐ初めての冬が訪れる。