2021年掲載 建築士特集
更新日:2021年01月13日
県産材を燻煙木材に変え、健康住宅を広めていく
(有)宮内工務店
建築士一級建築士 宮内 彰





シロアリから住まいと家族と健康を守る
県産材を利用した優良な施設の建築主、または設計・施工者に贈られる「とやま県産材建築物コンクール」。令和元年度の同コンクールにおいて特別賞を受賞したのが、「宮内工務店」の宮内彰さんだ。伝統の加工技術を継承しようとする強い意志に加え、彼が独自に開発した「燻煙木材」が高く評価されたことが、受賞理由に挙げられる。
燻煙木材とは、主に地元のスギ材を燻煙乾燥施設で約2週間かけて乾燥させたもので、シロアリやダニへの忌避効果、カビへの防腐効果などを持つ。京都大学によるシロアリ食虫試験では、防蟻薬剤に近い効果が実証され、2018年9月14日に特許を取得した。シロアリを生かしたまま寄せ付けないため、化学薬品を注入せずに済むことが、燻煙木材の最大のメリットだ。宮内さんは、その木材を主要構造部と土台、床周りに使用することで、化学薬品によるアレルギーの心配がない健康住宅を実現。さらに自身が開発した二重通気によって、常に澄んだ空気も届けている。
高断熱化に向けて、燻煙木材の普及に尽力
2021年4月、建築物省エネ法が改正される。改正後は、省エネ基準に適合した住まいを建てなければいけない。その際、これまで見えなかった性能が明確な数字として示されるのが、断熱性能を表すUA値だ。室内の快適な空気が外に逃げないよう、高性能の分厚い断熱材とサッシを設置すれば断熱性能は上げられるが、住まいに隙間が多ければ性能が損なわれるため、気密性能も一緒に高めなければならない。
迫り来る高断熱・高気密化に向けて、燻煙木材はその効果をより発揮することになる。なぜなら、木材に使用したシロアリ駆除剤や防虫剤が室内に入り込んだ場合、逃げ場がなく健康への弊害が起きる可能性があるからだ。しかし、燻煙木材なら、室内に有害物質の入り込む恐れが一切ない。
燻煙木材が広がれば、世の中に健康住宅が増えていくことになる。宮内さんは、その優れた技術とアイデアを他社でも使用できるよう働きかけている最中だ。
家づくりにおけるポイント
木を見極める目は
家具づくりにも発揮
一枚板を使用した造作家具や、学習塾で使用される子供用の机など、レトロな雰囲気が魅力の家具もお手の物。原木から作れるのは、木の特性を見極められるから。もちろん、新居の家具もオーダーできる。
アレルギーの
心配がない
燻煙木材
地元の木は、燻煙乾燥施設で建築時に出たおがくずや端切れなどを燃料に煙で燻し、2週間乾燥させることで燻煙木材になる。接着剤や化学薬品を使う必要がないため、アレルギー体質のお子さんを持つ家庭からの人気が高い。
氷見市民は
お得な家づくりが可能
新築住宅を建てるなら、富山県産材を利用するのがおすすめだ。その住宅は、さまざまな助成金制度やポイントの対象となっている。氷見産材を使えば、さらに「氷見産木材使用補助金」などがプラスされ、よりお得になる。
過去の建築実績


一般建築士事務所 富山県知事登録(2)第1934号
【建設業者許可番号】
富山県知事許可(般-30)第13688号
【宅地建物取引業者免許番号】
富山県知事免許(1)第2757号
【加盟・所属団体】
(社)富山県建築士事務所協会
- PROFILE
- みやうち・あきら
1958年、氷見市生まれ。20歳から大工の道に入り、5年間修行を積む。一度独立するも、住宅会社に転職。3年間、設計管理や営業などの業務を務めた。1984年に一級建築士の資格を取得し、1986年に『宮内工務店』を設立。2004年に法人化し、現在に至る。
【モットー】 ただひたすら一生懸命働く
【愛用の品】 パワーショベル
【建築設計という仕事について】 ただ純粋にお客様に喜んでほしいという思いを原動力に、お客様が満足する住まいを作り上げること。

- (有)宮内工務店
-
所在地:
氷見市岩瀬1835
TEL:0766-76-1416
URL:http://www.himidaiku.com/
メールアドレス:公式HP内「お問い合せフォーム」を利用ください
営業時間:8:00~18:00
定休日:日曜