ロケーション重視に加えデザイン性と機能性のバランスにも充分配慮

玄関ホール正面の天井際にはガラスが入っていて、柔らかな自然光が射し込んでくる。そのガラスの向こうにあるダイニング・キッチンや畳コーナーが、いかに明るく開放的かは、容易に想像がつくところ。けれども、実際には、想像を超える開放感のある空間が広がっていた。くつろぎの際にも、料理中も食事をしている時にも庭が眺められるようにと、庭向きの開口が驚くほど大胆にとられているのだ。さらに、天井板がそのまま外まで張り出しているかのように、ひさし裏側の板が張られ、空間が庭へ向って広
がって感じる工夫も見逃せない。平光工務店らしい好演出だ。立派なツゲをシンボルとした庭は、ご主人が自ら20年がかりでつくり上げたもの。ロケーションが新居のテーマとなったのも、うなずける。
写真を見ての通り、デザイン性の高さは言うまでもない。ただ、忘れてはならないのが、生活のしやすさを左右する、機能性の高さだ。例えば、ダイニング・キッチンと水回りを、ぐるりと回遊できるつくりにし、家事動線がスムーズになるようにした点。また、洗面脱衣室内には、洗濯物を効率よく乾かすために、物干しユニットとエアコンを設置。かなりゆったりとスペースがとられており、作り付けの棚もたっぷりと設けてあるので、クローゼットも兼ねることができる、多機能な空間になっている。アイロンがけや、ちょっとした雑用にぴったりのカウンターもあり、奥様にはうれしい場に。
　朝は、自慢の庭をひと回りするのが日課というご主人。庭を眺めながらの日々は、さぞかし充実していることだろう。