ご夫妻こだわりのＬＤＫには
心地よさにくわえて楽しさも

　新しく家を建てるにあたり、ご夫妻が求めたのが遊び心。吹抜け壁にボルダリングホールドを埋めこんだり、玄関壁にバイシクルハンガーを設けたりという事例を見て気になっていたことから、「スタジオ・エム」に声をかけた。提案されたファーストプランは他社とくらべて工夫があり、価格も納得できるものだったのだそう。「きっと理想の家になる」、そんな期待感で胸を膨らませながら、新しいＭ邸づくりははじまった。
　ファーストプランを基本にしながら、ご主人は機能の、奥様はデザインの詳細を決めていったのだそう。それをもっともよく表しているのがＬＤＫで、ご夫妻ならではのこだわりが詰まった空間となった。まず、２階に配置することで周囲の目線を遮りながら自然の陽光を採りこみ、パブリックスペースにふさわしい心地よさを創出。さらに、一部の壁を淡いピンクやブルーに塗るなどして、心地よさのなかにも楽しさや面白さを演出した。

豊かな時間を紡ぎだす
技ありなしつらえがたくさん

　キッチンはご夫妻ともに料理をするという前提のもと設計。どちらが立ってもしっくりとなじむよう、カウンターはモルタル仕上げとし、ミニマルなスタイルを追求したほか、たくさんのモノを片付けつつ、お気に入りの食器が飾れるよう、パントリーは扉のないオープンタイプとし、見せる収納と隠す収納を巧みに両立した。
　ロフトはご主人専用の個室として設計。音楽鑑賞やスポーツ観戦といった趣味の時間を満喫できるよう、最大限、閉じた空間にしつらえたほか、個室をでることなくお酒が楽しめるよう、キッチンと共用の酒棚を設けた。
　子どもの個性を大切にしたいとの想いから、子供室を１階に配置し、玄関から直行できるようにしたのも特徴。「子どもが成長したときにどう使ってくれるか楽しみだし、私達自身も、料理作りや家具選びと、日々の暮らしを楽しんでいます」とご夫妻。その穏やかな笑顔はＭ邸が理想の１棟となったことを雄弁に語ってくれた。