時の変化を楽しめる
高い意匠性

　「Grayish beigeに飾るノスタルジックな家」というコンセプトどおり、グレイッシュベージュの外観が印象的なM邸。内部も水まわりと子供部屋以外は、すべてグレイッシュベージュで統一されている。「住まいに使用する色は1～2色にし、統一感を大事にしました」とご主人。その言葉どおり、LDKの建具や巾木は一人でその色に塗り上げたという。
　M邸は、ご主人のセンスの良さに、高い意匠性を得意とする『平光工務店』が応えた形だ。あえて外観の側面に玄関を設けたのも特徴。格子からこぼれる光を感じながら、片引戸を開けると独特の質感を持つ白洲壁や、モミジの坪庭が目に入る。モミジはリビングからも簾越しに眺められ、「季節の変化を楽しみながらソファに座ってのんびり寛いでいます」とご夫妻は微笑む。
　色だけでなく、ダイニングや玄関の照明や洗面台のタオルがけなどにはすべて真鍮を採用と、素材も統一されている。「真鍮の経年変化や緑の変化を楽しんでいきたいです。子供も一緒に成長していってくれたらいいですね」とご主人。時を刻むことが楽しくなる家でもある。

暮らしやすい機能が
ご家族をずっと笑顔に

　優れた機能性も得意とする同工務店。M邸はすべて引き戸でフラットフロアになっているため、「掃除がしやすいですね」とご主人が微笑む。ルンバもスイスイ動いている。また、家全体をぐるりと回遊できる動線も便利。「特に2つの扉が効いているんですよ」と奥様が指すのは、キッチンとダイニングそれぞれに設けられた引戸。どちらもサンルームに出入りできるため、家事動線がかなり短い。すぐ洗濯ができ洗濯物が干せ、それらを畳みやすい造作棚まである。そのうえ収納スペースも適材適所にある。2階のウォークインクローゼットは収納量に合わせて作り込まれた空間だ。
　新築にあたって主導権を握ったのはご主人だが、「めちゃかっこいい」と奥様も大満足の仕上がり。外部にはコンクリートが打たれているため、草むしりの心配がいらない。心豊かな暮らしを大切にしている同工務店の計らいだ。いつまでもご夫妻の笑顔を育み続けるM邸である。