家づくり講座

STEP2 マネープラン

ファイナンシャルプランナーが教えるマネープランの基礎

イメージ一生を通じて最大の買い物であるマイホーム購入には、通常多額のローンを伴います。その返済には、今後の生活設計に支障を生じないことが大原則です。せっかく手に入れた大切な我が家を手放すことにならないよう、また、立派な家の中で悲惨な貧乏生活に陥ることがないよう、しっかりとした返済計画を立てましょう。

ファイナンシャルプランナー  舘林 厚さん 監修:ファイナンシャルプランナー 
舘林 厚さん
株式会社カルナ
TEL:076-442-0527
HP:http://www.carna-fp.com

◆返済計画のチェックポイント

住宅ローンの返済は長期にわたります。そのため、将来の生活設計を踏まえたうえで返済計画を立てなければなりません。人生の3大イベントは、「住宅の購入」「子育て」「老後の資金確保」と言われますが、このうち2つが部分的に重なってしまうケースは少なくありません。出産と同時に学資保険に加入して、保険料の支払いと住宅ローンの返済が重なったり、教育費の支出と住宅ローンの返済が重なったりする時期があるということです。同様に、住宅ローンの返済と老後資金の備えが重なることもあるでしょう。また妻の出産に伴い、退職するのか仕事を続けるのかにより、家計の収入に大きな影響を与えます。ですからライフプランに合わせて具体的な検討が必要です。チェックポイントは次の3つです。

1) 子供の教育費

2) 定年退職の時期

3) 今後の収入の変化

●こんなにかかる教育費 ●老後の世帯収入と支出はどれくらい?


●不動産広告などの「家賃程度の負担で購入できる」には注意を

不動産会社は物件を売るために、できるだけ借りやすいようなローン計画をつくっている場合があります。例えば毎月返済額が少ない代わりにボーナス返済に偏っていたり、低利な短期の固定金利選択型などで、当初の少ない返済額で計算されていたりするケースがあります。家賃と同程度の返済額でも、マイホームは賃貸住宅と違い、毎年の固定資産税の負担やメンテナンス費用、マンションなら管理費や修繕積立金などが必要になることを忘れてはいけません。

 

◆我が家の収入から手がとどくマイホームの予算

マイホームの予算は頭金と借りられる金額の合計で決まります。金融機関は希望する金額をそのまま貸してくれるわけではありません。一般に借りられるのは購入価格の80%までです。しかし最近では頭金なしで、購入価格の100%以上借りられる金融機関もあります。とてもありがたいかもしれませんが、きちんと返済できるかどうか、返済計画には十分な注意が必要です。また年収に対する住宅ローン返済の割合(返済負担率)は、25%までが安全といわれていますので、年収500万円の方は年間の住宅ローン返済額は125万円(月額は約10万4000円)までとなります。しかし私の個人的な意見ですが、返済負担率は月収の20%以下にしたいところです。年収の中にはボーナスが含まれていますので、この不況の世の中ではあてにできません。またボーナスどころか、給与もカットされる可能性もあります。ボーナスはないものと考えて、月収だけで予算を考えるべきだと思います。

●収入から分かるマイホーム予算一覧表


◆忘れてはいけないマイホーム取得時の諸費用

マイホームを取得すると、各種の税金やローン関係など、様々な費用が必要になります。この諸費用は、新築物件なら価格の最低5〜9%程度、中古物件では仲介手数料が必要なため、最低9〜13%程度になるといわれます。諸費用の総額は個々のケースにより大きく異なります。資金計画の段階では、購入価格の10%程度(中古物件は14%程度)を見込んでおきましょう。

●マイホーム取得時に必要な費用


◆住宅ローンの総返済額はどのくらい?

住宅ローンには利息がつきますから、実際に返済するのは借入金+利息の合計額です。ローンは長期にわたるため、総返済額のかなりの部分が利息となります。35年返済、金利3%では約38%が利息です。借入金3000万円なら、毎月返済額は11万5455円になり、そのうち7万5000円は利息になります(1回目の返済時)。

●住宅ローンの総返済額


◆住宅ローンの利息を抑えたい方は元金均等返済を選択しよう

住宅ローンには「元利均等返済」と「元金均等返済」の2つの返済方法があります。元利均等返済は、多くの金融機関で一般的に採用されています。毎月返済額が一定で返済計画が立てやすく、元金均等返済に比べて当初の返済額が少ないため、返済負担率をクリアしやすいなどの理由から多く利用されています。しかし利息の負担を抑えるならば元金均等返済が有利です。元利均等返済に比べると当初の返済額は多くなりますが、元金が早く減るためそれに伴う利息も少なくなり、返済が進むにつれて、毎月返済額は軽くなります。

●住宅ローンの返済方法


◆住宅ローンで最も気になる金利の種類

金利の種類は大きく分けて「固定金利」と「変動金利」の2つになります。さらにその中でもいくつかの種類に分かれます。

●住宅ローンの金利の種類 【固定金利】
固定金利の中心は「全期間固定金利型」で、将来的な返済額が変わりません。一方、以前の公庫融資で採用されていたのが「段階金利型」で、当初10年間と11年目以降の適用金利が異なるタイプが一般的です。現在でも一部の金融機関で採用されています。

【変動金利】
変動金利は将来的に適用金利が見直されます。純粋な「変動金利型」の場合は、適用金利は年2回見直され、返済額は5年単位で再計算されます。「固定金利選択型」は、返済当初の2〜20年程度の期間の金利を固定金利にするというものです。固定期間終了後は、変動金利に移行するか再度固定金利選択型を選ぶか自由に決められます。最近の傾向としては、優遇金利を適用することで「変動金利型」よりも金利水準が低いケースもあります。また「上限金利付変動金利型」は、金利水準は「変動金利型」よりも高めですが、将来的な適用金利には上限が付いているという安心感がセットされています。

【金利ミックス型】
どの金利タイプにするか迷った場合に有効なのが「金利ミックス型」です。取扱いは一部の金融機関に限られますが、固定金利と変動金利の割合を自由に設定できるところもあります。


◆ローンを早く減らすなら一部繰り上げ返済をしよう

住宅ローンは毎月の返済とは別に、一定以上の額をまとめて返済することができます。これを「一部繰り上げ返済」といいます。一部繰り上げ返済により元金をまとめて返すと、その元金にかかる予定だった利息を払わずにすみます。一部繰り上げ返済には、返済期間を短くする「期間短縮型」と、返済期間を変えずに毎月の返済額を減らす「返済額軽減型」の2つのタイプがあります。

●一部繰り上げ返済で期間を縮めるか、毎月返済額を減らすか


◆一部繰り上げ返済をするなら早めがお得

一部繰り上げ返済で大切なのはタイミングです。同じ金額を返済しても、時期により効果は大きく違います。早い段階でやらないと効果は薄れていってしまいます。なお一部繰り上げ返済できる金額は金融機関によって異なります。一般的には100万円からとなっています。ただ一部の金融機関では1万円からでも可能です。また通常一部繰り上げ返済には、手数料が数千円〜数万円程度かかりますが、ネットバンクや労金などは手数料無料となっています。

●早めの一部繰り上げ返済はこんなにお得


◆家計の見直しで一部繰り上げ返済を

一部繰り上げ返済の効果をよく理解しても、その原資がなければ意味がありません。そこでその原資を家計のリストラで捻出しましょう。まずは家計簿をつけて、支出と収入を把握することが大切です。そこから節約できるところを見極めましょう。食費や光熱費はもちろんですが、住宅ローンの次に大きな割合を占める生命保険を見直せば効果が大きいかもしれません。住宅を購入する際、原則的に団体信用生命に加入しますので、必要保障額は減少します。しかし住宅取得後も保障を減額していないケースは少なくありません。そこで生命保険の見直しポイントとして、次のような方法などがあります。
(1) 生命保険の保障額の減額
(2) 将来の必要保障に合わせて自動的に減額される「逓減定期保険」や「収入保障保険」などの活用
(3) 「健康体割引」や「非喫煙者割引」などの活用

◆住宅ローン減税で一部繰り上げ返済を

平成21年度税制改正で、大幅に優遇された住宅ローン減税を活用しましょう。この住宅ローン減税の特徴は、10年間で最大控除額が600万円となり、従来の住宅ローン減税では所得税のみが減税対象でしたが、住民税も対象になった点です。所得税から引ききれなかった場合には、住民税から最大9万7500円引いてもらえるようになります。ただ、減税額は借入金や年収によってはあまり大きくならないケースがあります。

●新たな住宅ローン減税の概要
※詳しくは国土交通省ホームページを参照ください。
http://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/zeisei_index2.html

住宅ローン減税を活用する

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